前回は経営理念とビジョン、経営戦略とはについて書いてきました。
今回は経営戦略について、もう少し具体的にアウトプットします。
経営戦略は 企業戦略→事業戦略→機能戦略と3階層になっています。
経営戦略の3つの階層
企業戦略(成長戦略)
↓
事業戦略(競争戦略)
↓
機能戦略
企業戦略は成長戦略とも呼ばれます。どのような事業で構成をして、どのように企業を成長させていくかを戦略立てます。
事業戦略は競争戦略とも呼ばれます。企業戦略で区分された事業毎に、市場の競合他社とどのように戦い競争優位を高めていくかを戦略立てます。
そして事業戦略は各機能へと落とし込まれます。ここで考えるべきが機能ごとの方針や目標です。企業には営業部門や財務経理、人事、PRなど様々な機能があります。
A事業であればどのような人材がどのような営業を仕掛け、どのような販促活動をしすれば良いだろうか、と各事業毎に戦略立てていきます。
さぁ、経営計画を作ろう!
戦略が定まったら、今度は戦略をより具体的にしていきます。
戦国時代で例えれば主君や軍師に戦略に基づいて細かく戦術を立案し武将達が実行していきます。経済も兵法と同じように、大きな策を形にするために具体的に戦術を策定します。
大切なのは「いつ、だれが、何をおこなうか」ということを明確にすることです。
こうすることにより社員が日々どのような業務をするべきかを落とし込むことが出来ます。
それぞれのセクション(機能)に期限と責任者を決めて管理をしていく事が重要です。
投資や株取引をしている人でしたら中期経営計画に目を通すことがよくあると思います。
上場企業はステークホルダーに説明をする為、経営計画を開示しますが、3年~5年の中期経営計画が多いですよね、5年以上の長期経営計画や、1年毎の短期経営計画も立てますが、最近は外部環境の変化も著しいため3年程度の中期経営計画を公表する企業が多くなってきているようです。
経営計画は見直しや修正も必要です
計画通りに物事が全てうまくいく、はずもありません。
特に期間が長い経営計画は、年度末に結果を踏まえて修正を施していきます。
ローリングプランとコンティンジェンシープラン を覚えておきましょう。
ローリングプランとは?
毎年の計画修正を前提として運用する方式です。
当初の計画に対しての上振れ、下振れに応じて、次期や計画着地点を見直します。
コンティンジェンシープランとは?
不測事態に備えて準備しておく計画でシャドープランと呼ばれることもあります。
不測の事態とは、予期せぬ災害ですとか致命的なシステムエラー、経済環境が著しく変化してしまった場合などです。不測事態が発生しない場合にはコンティンジェンシープランを発動することはありません。
ここまで経営戦略と経営計画についてまとめてきましたが、
試験対策として「分析麻痺症候群」という言葉も覚えておくとよいそうです。
分析麻痺症候群とは?
これは分析ばかりしていて、行動に移らない状況を表した言葉です。
経営陣がデータばかりを重視して現場で起こっている課題や実情とかけはなれた計画になってしまう、結果的に経営と現場の間に不信感が生まれ思うように計画が実行されない、という状態が度々起こるそうです。
また経営には時として分析結果には表れないリスクを取る判断も重要となりますが、分析麻痺症候群に陥ると慎重になりすぎて無難な計画になってしまいます。
優れた経営者、経営陣は分析に頼り過ぎずに計画を作成し、実行をしていきながら検証と微調整を繰り返していく、このバランスが絶妙なんですね。
次回は「戦略の策定」について進みます!